二 アレクサンドロス大王家
(1)出自
ギリシャ系マケドニア王国の第7代国王アレクサンドロス3世(大王)を始祖とする帝室。アレクサンドロス大王が出自したアルゲアス朝は、伝説上の英雄ヘラクレスを始祖とするヘラクレス裔(ヘラクレイダイ)を自称した古い王家で、紀元前8世紀半ば頃から、マケドニアの支配者となった。ギリシャの他地域とは異なり、都市国家を形成せず、専制王政を確立した。
ギリシャ系マケドニア王国の第7代国王アレクサンドロス3世(大王)を始祖とする帝室。アレクサンドロス大王が出自したアルゲアス朝は、伝説上の英雄ヘラクレスを始祖とするヘラクレス裔(ヘラクレイダイ)を自称した古い王家で、紀元前8世紀半ば頃から、マケドニアの支配者となった。ギリシャの他地域とは異なり、都市国家を形成せず、専制王政を確立した。
(2)事績
アレクサンドロスが歴代マケドニア国王と決定的に異なったのは、東方遠征に生涯を捧げたことである。その契機となったのは、父王フィリポス2世のペルシャ征服作戦の継承にあった。彼は父王が果たせなかったペルシャ征服を達成し、その勢いで中央アジアからインドにまで侵攻、世界史上初めてヨーロッパとアジアをつなぐユーラシア帝国を築いた。その意味で、ユーラシアという超大陸的な地理学的/地政学的観念はアレクサンドロスに始まると言える。