歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

神道と政治―史的総覧(連載第3回)

一 古代国家と神道の形成 首長国家と氏族祭祀 邪馬台国は弥生時代最末期のクニの集大成と言えるものであったが、『魏志倭人伝』の記述によれば、当時の倭では人が死ぬと、土を封じて塚を作ったとある。こうした盛り土型の墳墓が各地に盛んに築造された時代が…

私家版朝鮮国王列伝[増補版](連載第15回)

十五 粛宗・李焞(1661年‐1720年)/景宗・李昀(1688年‐1724年) 父の第18代顕宗の後を受けて1674年に14歳で即位した第19代粛宗は、朝鮮王朝では久々に半世紀近い長期治世を保つ王となった。彼は政治的にも早熟と見え、年少で即…

神道と政治―史的総覧(連載第2回)

一 古代国家と神道の形成 邪馬台国と国家祭祀 神道は特定の創始者と創始年を特定できない伝統宗教であり、原初のアニミズムに起源を持つことはほぼ間違いない。そのため、初めから政治との関わりが濃厚だったいわゆる世界三大宗教とは異なり、元来は民間信仰…

私家版朝鮮国王列伝[増補版](連載第14回)

十四 孝宗・李淏(1619年‐1659年)/顕宗・李棩(1641年‐1674年) 17代孝宗は、16代仁祖の次男(鳳林大君)として、丙子の乱で朝鮮が清に敗れた後、兄の昭顕世子とともに清に人質として送られた。抑留時代の鳳林大君は世子である兄を守…

神道と政治―史的総覧(連載第1回)

小序 当連載は、日本の伝統宗教である神道と政治との関わりについて、史的に総覧することを目的とする。先般、筆者は「仏教と政治」に関しても、世界史的な視野から史的な総覧を試みたところであるが、当連載はそれに引き続く姉妹的な連載として位置づけられ…