歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

神道と政治―史的総覧(連載第7回)

二 天皇制の創出と神道 第二次宗教改革:「天照神道」の確立 仏教を定着させた蘇我体制(蘇我王朝―私見)は、半世紀ほど続いた後、7世紀半ばのいわゆる大化の改新によって倒され、旧王朝が復活した。この復活王朝(後昆支朝―詳しくは拙稿参照)は、二度と王…

私家版朝鮮国王列伝[増補版](連載第19回)

十九 哲宗・李昪(1831年‐1863年) 先代の24代憲宗は世子を残さず、夭折したため、後継問題が生じた。この時、23代純祖の王妃だった安東金氏出身の純元王后が動き、憲宗生母の神貞王后が出自した豊壌趙氏の機先を制する形で、22代正祖の弟の孫…

土佐一条氏興亡物語(連載第2回)

二 中村小京都の建設 応仁の乱の際、京都の公家一条氏が土佐に疎開してきた経緯は初回に述べたが、一族の荘園であった幡多荘は古代には波多国造の支配地であり、古代以来、土佐の中心地として拓けていたと見られる。とはいえ、農村にすぎなかったこの地を小…

神道と政治―史的総覧(連載第6回)

二 天皇制の創出と神道 宗教戦争:仏教との相克 昆支大王による宗教改革の成果は永続的なものであり、その基本路線は以後、ヤマト王権により継承されていくが、6世紀の欽明天皇(大王;当時、天皇号はまだ存在しなかった)の時代になると、王朝開祖である昆…