歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ノルマンディー地方史話(連載第10回)

第10話 「ノルマン様式」の不思議 「ノルマン様式」とは、建築史の用語で、その名のとおり、ノルマン人の城塞や教会の建築に特有の様式を指している。しかし、興味深いことに、「ノルマン様式」は、1066年のノルマンディー公ギヨーム2世によるイング…

シチリアとマルタ―言語の交差点(連載第3回)

二 フェニキア人・ギリシャ人の植民とシチリア語 シチリアとマルタにおける本格的な文明時代の始まりは、フェニキア人・ギリシャ人の植民活動によってもたらされる。特にシチリアには紀元前8世紀頃から両民族の入植が開始されるが、入植時期はフェニキア人…

外様小藩政治経済史(連載第10回)

三 狭山藩の場合 (1)立藩経緯 狭山藩は、豊臣秀吉に討たれるまで関東地方の実質的な支配者であった後北条氏(以下では、単に北条氏という)の子孫によって河内に立藩された小藩である。西国出身ながら関東地方を長く拠点としていた戦国大名北条氏が関西に…