歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

アフガニスタン―引き裂かれた近代史(4)

[E:one] 「保護国」アフガニスタン 第二次アングロ‐アフガン戦争後のアフガニスタンは、英国の保護国として再起することとなり、その最初の指導者が英国から王として認証されたアブドゥル・ラフマーン・ハーンであった。彼は敵対していた前首長の従兄弟であ…

私家版足利公方実紀(連載第5回)

五 足利義満(1358年‐1408年) 足利将軍中でも最も著名な3代将軍義満は、父・義詮の死去に伴い、11歳で将軍に就任した。このように年少での後継となったため、当初は管領・細川頼之が政治の実権を持った。細川氏は足利氏庶流から出た足利一門であ…

私家版足利公方実紀(連載第4回)

三 足利義詮(1330年‐1367年) 足利義詮〔よしあきら〕は、室町幕府を開いた尊氏の嫡男であるが、実際は、上に二人の異母兄がいた。しかし、どちらも庶子だったため、正室との間の長男であった義詮が嫡男となる。従って、父が幕府を建てた頃はまだ幼…

アフガニスタン―引き裂かれた近代史(3)

零 曖昧な近代の開始 第一次アングロ‐アフガン戦争 バーラクザイ朝アフガニスタン首長国に対する英国の第一次戦争で前面に出てきたのは、当時英国のアジア侵略の先兵であった東インド会社軍であった。非正規の傭兵組織とはいえ、インド人のセポイを主力に強…

私家版足利公方実紀(連載第3回)

二 足利尊氏(1305年‐1358年) 足利尊氏は、先代貞氏の次男として鎌倉時代末期に生誕したが、本来足利氏の家督は貞氏の出家後いったんは異母兄の高義が継いでいた。しかし、高義は20歳ほどで夭折したため、貞氏が復帰していた。 以後、貞氏は存命…

アフガニスタン―引き裂かれた近代史(2)

零 曖昧な近代の始まり バーラクザイ朝の成立 アフガニスタンに関して近代史を語る難しさは、いつから近代が始まるのかが曖昧なことである。いちおう、現代アフガニスタンにおいて最大勢力―とはいえ、その比率は50パーセント前後―であるイラン系民族パシュ…

私家版足利公方実紀(連載第2回)

一 足利貞氏(1273年‐1331年) 室町幕府を開いた足利氏は、清和源氏の流れを汲む源氏一門であり、河内源氏棟梁・源義家の四男・義国が下野国足利荘を拝領したことで、その次男・義康以降、足利氏を名乗るようになった。このように足利氏は源氏一門と…