歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

私家版琉球国王列伝(連載第14回)

十五 尚育王(1813年‐1847年) 琉球にも西洋列強の手が及び始めた19世紀前半の時期に登位した尚育王は、前回も見たように、父王が晩年精神障碍のため執務不能となったため、10代から摂政として政務を執っていた。 在位中は、来航する列強との折…

私家版朝鮮国王列伝[増補版](連載第11回)

十一 宣祖・李昖(1552年‐1608年) 宣祖は伯父に当たる先代の明宗の世子が夭折し、他に男子なく、しかも父の徳興大院君も早世していたことから1567年、明宗の死去を受けて14代国王に即位した。10代での即位から40年余りに及んだその治世は…

仏教と政治―史的総覧(連載第33回)

十一 近代国家と仏教 チベット「自治」と仏教 チベット仏教拠点のチベットの近代は、それぞれ革命によって樹立された中華民国にソ連という新興国、そして英国という大国による覇権争いに巻き込まれる辛酸を舐めた。 しかし、その間、ダライ・ラマを元首とす…

私家版琉球国王列伝(連載第13回)

十四 尚灝王(1787年‐1834年) 先代の尚成王が幼年のまま没すると、叔父の尚灝〔しょうこう〕が後を継ぐこととなったが、以後の琉球王統は彼の子孫で確定している。1804年の即位時は10代であったが、その後30年にわたり在位し、尚穆王以来の…