歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

抵抗の東北史(連載第12回)

十一 近世東北の収斂 豊臣秀吉の死後、関ヶ原の戦いを経て、江戸時代に入ると、改めて幕府主導での東北再編が行なわれる。まず豊臣政権では冷遇され、減移封処分を受けて押さえ込まれていた伊達氏(政宗)は、関ヶ原の戦いでは東軍に付き、徳川家康の評価を…

抵抗の東北史(連載第11回)

十 戦国時代の東北 南北朝統一後の室町幕府は東北支配を鎌倉府に委ねたが、鎌倉府が次第に自立化していく中で、東北支配も幕府と鎌倉府とに分裂し、東北支配は混乱していた。その結果、東北地方では早くから有力武将が半自立的に割拠する結果となり、他地域…

私家版松平徳川実紀(連載最終回)

二十七 徳川家達(1863年‐1940年) 通常の徳川史は最後の将軍15代慶喜をもって閉じられるが、明治維新後、華族(公爵)の身分を与えられて存続した近代徳川家の祖と言うべき人物として徳川家達〔いえさと〕を無視するのは正当でない。 家達が出た…

私家版松平徳川実紀(連載第23回)

二十六 徳川慶喜(1837年‐1913年) 徳川慶喜は本来は水戸徳川家の当主・徳川斉昭の七男として生まれたが、12代将軍家慶の命により一橋家の養嗣子となり、一橋家当主を継いだ。英明の評判の高かった慶喜は最終的に将軍に就任する以前、二度将軍候補…

私家版松平徳川実紀(連載第22回)

二十五 松平容保(1836年‐1893年) 松平容保〔かたもり〕は、元来尾張藩支藩の美濃高須藩主の六男として生まれたが、かつて2代将軍秀忠の庶子保科正之が興した会津松平家の養嗣子となり、会津藩主を継いだ。血統上は水戸徳川家から高須藩主家を養子…

抵抗の東北史(連載第10回)

九 中世東北の再編 蝦夷代官職として鎌倉時代に台頭し、津軽を拠点に土着した安藤氏は幕府滅亡後も南北朝動乱期を生き延びていくが、この頃から本来の拠点にある津軽にとどまった家系(下国家)と、日本海側秋田に移住した家系(上国家)とに分岐する。 この…