歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

私家版松平徳川実紀(連載第4回)

三 松平長親(1473年‐1544年) 松平長親〔ながちか〕は松平家の史実上の家祖・信光の孫に当たる。父は信光の子・親忠〔ちかただ〕だが、親忠は長寿を保った信光から家督を相続した時、すでに高齢であり、ほどなく息子の長親に家督を譲って隠居した。…

私家版松平徳川実紀(連載第3回)

二 松平信光(生没年不詳) 現在のところ、初期松平氏の当主として史料に名が見えるのは、家系図上3代目の松平信光からである。信光の父は系図上2代目泰親とされるが、初代親氏の子とする説もあり、父母も生没年も不詳である。親氏・泰親二代は造作の可能…

私家版松平徳川実紀(連載第2回)

一 松平親氏/泰親(伝承) 関東平野を縦貫する東武伊勢崎線に世良田〔せらだ〕という鄙びた小さな駅がある。今日は群馬県太田市に属するこの世良田が松平徳川氏の系図上の家祖・松平親氏〔ちかうじ〕の出た新田氏系世良田氏の本貫地であることから、松平徳…

私家版松平徳川実紀(連載第1回)

序 戦国大名は源氏系や藤原氏系を公称したがったが、明白に系譜関係をたどれる一部例外を除き、ほとんどの戦国大名は地方の国人領主や土豪の出自にすぎなかった。であればこそ、武力で下克上して階級上昇を果たす中で、家系の由緒来歴を飾るため、家系図を捏…