歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アフガニスタン―引き裂かれた近代史(11)

[E:three] 社会主義革命と内戦 [E:night]内戦の長期化 1978年の社会主義革命以前、アフガニスタン史上近代主義的な大改革は王政時代のアマヌッラー国王による改革、共和革命後のダウード政権による改革と二度あったが、いずれもイスラーム保守層からの強…

私家版足利公方実紀(連載第14回)

十八 足利義晴(1511年‐1550年) 足利義晴は、先代の10代将軍義稙に将軍の地位を追われた11代将軍義澄の子として、幼少期には赤松氏、次いでこれを下克上により破った浦上氏のもとで庇護・養育されるなどの苦労を味わった。 そんな彼に将軍のお…

日本語史異説―悲しき言語(連載第7回)

三 弥生語への転換② 前回、大陸から弥生人がもたらした新しい言語=弥生語は従来前提されてきたような北方系ではなく、それ自体も縄文語とは別系統の南方系ではないかと仮説を立てた。そう考えると、現代日本語にも継承されている南方的要素は縄文系のものと…

私家版足利公方実紀(連載第13回)

十六 足利政氏(1462年‐1531年)/高基(1485年‐1535年) 足利政氏は、古河公方初代足利成氏から生前譲位を受けて2代古河公方に就任した。享徳の乱を戦い抜いて古河公方の地位を確立した父から有利な条件で家督を譲られたはずの政氏であっ…

アフガニスタン―引き裂かれた近代史(10)

[E:three] 社会主義革命と内戦 [E:night]革命からソ連軍事介入へ アフガニスタンの1973年共和革命から78年の社会主義革命までの過程を見ると、ロシア革命の経過とよく似ている。第一次73年革命がロシアでは帝政を打倒した2月革命に相当するものだと…

私家版足利公方実紀(連載第12回)

十四 足利義澄(1481年‐1511年) 足利義澄は、明応二年(1493年)、細川政元が主導したクーデター・明応の政変により先代で従兄に当たる10代将軍足利義材〔よしき〕が追放された後を受けて11代将軍に擁立された。しかし、このような不正常な…

日本語史異説―悲しき言語(連載第6回)

三 弥生語への転換① 弥生時代は大陸、特に朝鮮半島から農耕をもたらした渡来勢力により拓かれたというのが定説となっている。この時、言語体系も大きく転換され、コリア語とも共通する膠着語的な構造が刻印され、現代の日本語にも継承されていると説かれる。…

アフガニスタン―引き裂かれた近代史(9)

三 社会主義革命と内戦 [E:night]1978年社会主義革命 前回触れたように、1973年の共和革命はイスラーム保守勢力を後退させ、マルクス‐レーニン主義の人民民主党(以下、PDPAと略す)が台頭するきっかけを作った。しかし、共和革命を主導したダーウー…

私家版足利公方実紀(連載第11回)

十三 足利成氏(1438年or34年‐1497年) 足利成氏〔しげうじ〕は、永享の乱で敗死した第4代鎌倉公方足利持氏の遺児であった。乱による混乱からか、生年が確定していない。しかし、乱後の延長戦として起きた結城合戦で結城氏に担ぎ出されて敗北、幕…

日本語史異説―悲しき言語(連載第5回)

二 縄文語の生成と行方③ 前出村山説によると、日本語は縄文時代にもたらされた南方系オーストロネシア語族系の言語が後続の弥生時代にもたらされた北方のアルタイ語系、中でもツングース系言語によって系統的に変容させられ(特に膠着語的文法構造)、混合言…

私家版足利公方実紀(連載第10回)

十一 足利義政(1436年‐1490年)/義尚(1465年‐1489年) 8代将軍足利義政は父義教暗殺、兄義勝夭折というお家の危機に、8歳で将軍位に就いた。兄が長生していれば将軍になることもなく、数奇者として生涯を終えることもできたろうに、不…