歴史の余白

内外の埋もれた歴史を再発見するブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

私家版琉球国王列伝(連載第7回)

八 尚元王(1528年‐1572年)/尚永王(1559年‐1589年) 通算78年に及んだ尚真・尚清父子王の治世が1555年の尚清王の死をもって終焉すると、大勢いた王子たちの間での王位継承抗争が起きるも、翌年、先代から後継指名を受けていた次男…

高家旗本吉良氏略伝(連載第4回)

三 吉良義尚(1414年‐1467年)/義真(1422年?‐1481年) 吉良義尚・義真の兄弟は、西条吉良氏の祖となった満貞の孫に当たり、父俊氏は内裏警護を任務とする武者所長官職にあったことから、息子たちも若くして優遇されたようである。西条吉…

弥助とガンニバル(連載第8回)

七 ガンニバルの子孫Ⅰ 黒人将軍ガンニバルは、信長の弥助とは異なり、ロシア帝国軍人・貴族としてロシアに定着したため、ロシアに子孫を残すこととなった。しかし、最初の結婚は不幸な失敗に終わっている。その相手はギリシャ人女性であったが、経緯は不明な…

私家版朝鮮国王列伝[増補版](連載第2回)

一 桓祖・李子春(1315年‐1360年) 李朝の王家となった李氏の出自民族については韓族とみなすのが通説だが、遠祖を漢族とする史料もあるほか、異説として女真族説も提出されている。 女真族説は李氏の本拠は朝鮮半島でも最北部であり、14世紀初頭…

私家版朝鮮国王列伝[増補版](連載第1回)

序 李朝(朝鮮王朝)は、14世紀末から20世紀初頭に至るまで、日本では室町・江戸時代から明治時代末に至る極めて長い時期に並立した隣国王朝である。同時代にこれほど長きにわたって存続した王朝といえば、西アジアのオスマン朝くらいしか見当たらないほ…